あにめマブタ

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文フリ19にて「音響監督 鶴岡陽太さんの音響演出」に関する文章を発表します

 こんにちは、毎週の労働後に『SHIROBAKO』を視聴することを「夜勤」と呼んでいるヒグチです。

 来たる三連休の終わり、11/24(月祝)の文学フリマ(第19回)で頒布します冊子で、「アニメ音響演出」全般に関する文章を発表します。

 タイトルは「アニメにおけるサウンド/ボイス演出と、ベストテイクを降ろす技術 ~ヒットメーカー鶴岡陽太のコンセプト志向~」です。

 簡単に背景を説明する前に、場所・時間などの詳細を置きます。
 文章の最後に、新刊の表紙も載せています。
<第十九回文学フリマ
開催日 2014年11月24日(月祝)
開催時間 11:00~17:00
会場 東京流通センター 第二展示場
アクセス 東京モノレール流通センター駅」徒歩1分
文学フリマ - 文学フリマ公式サイト-お知らせ

サークル名:あの日熱めの熱燗で
ブース場所:Eホール(1F)C-45
あの日熱めの熱燗で@第十九回文学フリマC-45 - 文学フリマWebカタログ+エントリー

<頒布物概要>
・新刊300円
・既刊200円

 簡単に、今回書いた文章の背景を説明します。

 僕は2010年代周辺に、個性的な制作手法と作風で台頭したシャフト(『化物語』『まどマギ』)そして京都アニメーション(『ハルヒ』『けいおん』)の両アニメスタジオ(個人的にはここにP.A.WORKSを加えたい)が主導した、「アニメの新しいリアリティ」をめぐる大きな流れを見ます。
 それは数社のスタジオを同時多発的な発端とし、ビジュアル面でアニメ制作全体に大きな変革をもたらしました。しかし、人々に注目されがちなビジュアルと並ぶもう片方、つまりサウンド・音響面については、きちんと取り上げられる機会は少なかったと思います。

 そもそも、音楽やセリフの調子といった非言語的なものを、言葉で語るということ自体が難しい、これは確かです。しかし、スタッフ・キャストの発言をきちんと追っていくことで、専門家によって言語化されている部分について、幾分かの理のある論考を書くことは、おそらく可能だと考えました。

 今回は特に、音響監督の鶴岡陽太さんに注目します。さきほど挙げた4つのヒット作品(『化物語』『まどマギ』『ハルヒ』『けいおん』)全てに音響監督としてクレジットされる鶴岡さんは、2010年周辺のアニメ作品における明らかなキーマンでしょう。
 鶴岡さんの音響ディレクションは、かなり特徴的なことで有名です。では、その具体的な方法が、作品の雰囲気や声優陣へどのようにポジティブな影響をもたらし、作品クオリティの底上げに寄与しているのか。
 僕はこの文章の中で、その一端でも、解き明かすとができればと思っています。

 全体の流れとしては、まず音響監督という役職の仕事を紹介し、次にアニメにおける「演出」という難しい言葉を自分なりに整理します。

 前半は、鶴岡さんの解説を基礎に置いたうえで、『涼宮ハルヒの消失』『魔法少女まどか☆マギカ』の劇伴の使われ方と、その理由を検討します。なぜあのシーンで劇伴は使われたのか、もしくは使われなかったのかという問題に、スタンダードですが明確な答えを出します。

 後半では、斎藤千和さん、悠木碧さん、沢城みゆきさんといった、鶴岡さんと関わりの深い声優さんたちの発言をもとに、アフレコでの鶴岡さんを追います。鶴岡さんのディレクションがどのような思想のもと、実際にどのような行動をすることで、作品に対してどのような働きかけをしているのか。
 レギュラーパターン、そしてイレギュラーパターンに対する鶴岡さんの具体的な対応を見て、それを鶴岡さん自身の発言と比較検討することで、それは徐々に形をとっていくはずです。

 今回の文章でも、講演会での内容・ムック本・オーディオコメンタリー・ラジオなどの視点から、具体的なエピソード、作品のストーリー、本人や声優陣の発言などをベースにした、堅実なものを目指しました。。

 今回も21000文字とボリュームは確保しましたし、内容の新規性についてはちょっと自信があります。もしご興味があれば、ぜひお手にとって頂ければと思います。なお、「赤いリボン・目玉焼き・渡り廊下~魔法少女まどか☆マギカの構造分析~」が載っている既刊も、200円で頒布する予定です。
「赤いリボン・目玉焼き・渡り廊下」という『まどマギ』レビューを書きました - あにめマブタ

 サークルメンバーが書いた作品も、勿論僕が好きなものですし、今回は僕も参加した『ラブライブ!』座談会が、なんと30000字も入っており、非常に出来が良いです。おもろいし、お得やで、です。当日は、ぜひよろしくお願いします。
 ※取り置き、個人通販も受付けます。

(今回はたつざわさんのアドバイスを受けてオンデマンド印刷を活用しました。これにより、前回が1冊500円のところ、300円に価格を抑えることに成功しました(企業努力)。)
 
<新刊詳細>
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本日は以上です。