吉川優子の、流すはずじゃなかった涙について ~『響け! ユーフォニアム』11話~
優子は何に泣いたのか
TVシリーズアニメ『響け! ユーフォニアム』、これはとんでもない作品だということで、周囲のざわつきが止まらない。かくいう僕も、最新話である第11話を観たあと「北宇治まで五体投地したい」とツイッターに取り急ぎメモしたほどだ。
今日は、放映から少し遅れてしまったが、第11話「おかえりオーディション」について書きたいと思う。再オーディションが終わって、デカリボンちゃん(吉川優子)は席に座ったまま泣き崩れる。しかし、優子は何に泣いたのだろう。
中世古先輩がオーディションに落ちたことの悔しさからだろうか。それとも、最後まで中世古先輩の助けになることができなかった悲しさからだろうか。
僕は、どちらでもないと思う。
中世古先輩のことがわからなくなっていく優子
優子は、自分が中世古先輩が好きな理由を思い出すことができたから、泣いたのではないだろうか。
少しだけ、順を追って考えていこう。
第10話、「オーディションの結果には納得している」とウソをつく中世古先輩に優子は思わず、「あきらめないでください!」と叫ぶ。この言葉に、初めて中世古先輩は動揺したかのように見える。
それでも、中世古先輩は寂しい笑顔で「…ありがとう」とつぶやき、立ち去るのである。その表情を見て、優子は虚を突かれたような顔をする。