【告知】「映画脚本のノウハウと『ラブライブ!』ストーリー構成の比較」を文学フリマで発表します
どうも、エゴサーチが困難なヒグチです。
友達と作った同人誌に文章を載せましたので告知します。
この冊子は、2013/11/04(月・祝)に開催予定の
第17回文学フリマにて、頒布されます。
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第十七回文学フリマ サークル参加します。|あの日熱めの熱燗で
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つきましては、ここで書いた文章の内容について
簡単に説明させてください。
<イントロダクション>
タイトルは
『視聴者の張り詰めの維持と開放~誰得シリアス論~』としました。
テキストが3万字くらい、図版が10点弱です。ボリュームはあります。
ただ正直、すごい難産でした。
内容ですが、
代表的な映画脚本作成のノウハウが、
1クールアニメのストーリー構成の分析にどの程度応用できるのか
というものです。
今回の1クールアニメのストーリー構成分析の対象として、
TVシリーズアニメ『ラブライブ!』を選びました。
その理由としては、
ほぼオリジナルストーリーで、
脚本がほぼ1人によって書かれていること。
そして当時「誰得シリアス」と評された
異形のストーリー構成について
きちんと考えてみたかったからです。
<対象読者と読者が得られるもの1>
『ラブライブ!』全話の視聴者ではない場合、
前から3分の2を楽しんでいただけると思います。
ここでは現代映画脚本が、
どのようなストーリー構成をとることで、
視聴者の興味を惹こうとしているのか、
そしてそれがどのような意味付けを行っているのか、
ということについて話します。
まず「ドラマ」「葛藤」「三幕構成」などを基礎的なパーツとして導入します。
そしてそれらのブロックが、どのように組み合わされることによって、
映画脚本やストーリーテリングのどのような現象が
引き起こされ、またどのような効果を生むのかについて説明します。
特に、語り手側からではなく、
視聴者・聞き手側から観たときに、
どのようにストーリーは「生理的に受容されてしまう」のか
という観点を軸に、ハリウッド映画のライターたちが
どのような工夫をせざるを得なかったのか、
についても、時系列に沿って言及します。
更に、彼ら映画脚本の研究者が示した、
非常に具体的な脚本構成要素や、
その配置と配分についても述べます。
なお、今回はネタ本として、三冊を用意しました。
ストーリーの語りが視聴者のテンション、
感情の張り詰め具合に及ぼす影響という主眼に沿って、
複数の書籍に書かれているトピックが相互参照的に乗り入れるかたちで
説明が進んでいきます。
ネタ本は以下の3つ。
『ハリウッド脚本術』
- 作者: ニール・D・ヒックス,Neill D. Hicks,浜口幸一
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2001/03
- メディア: 単行本
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『SAVE THE CATの法則』
- 作者: ブレイク・スナイダー,菊池淳子
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2010/10/22
- メディア: 単行本
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『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』
映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術
- 作者: シド・フィールド,安藤紘平,加藤正人
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2009/03/31
- メディア: 単行本
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<対象読者と読者が得られるもの2>
続く、実際にストーリー構成の分析を行った
後ろの3分の1については、
『ラブライブ!』実際のストーリーのネタを割っています。
ラブライブ! (Love Live! School Idol Project) 1 (初回限定版) [Blu-ray]
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そこまでに導入してきた材料を使い、
映画脚本の理論が果たして1クールアニメの
ストーリー構成分析に援用可能なのかを検証します。
ここでは実際に『ラブライブ!』全13話について、
1話を4分の1ずつに詳細に分割し、
各フェイズでどのような出来事が起こり、
それはストーリー構成全体の中で、
どのような位置と役割を占めたのかを図示します。
また、それらが先に述べた映画脚本構成に置き換えた場合に、
どのような共通点を持ち、
またどのような相違点を持っているかを列挙・分析します。
このような手順で、『ラブライブ!』が
一般に優れたストーリーテリングが持つとされる
要素とその配置との類比の中で、
どのような共通点・相違点が我々を惹きつけ、
どのような相違点こそが
「誰得シリアス」と評されたのかということを考えます。
そして最後には、『ラブライブ!』という大ヒット作品が抱えた、
異形のストーリー構成とその仕掛けについて、
総評します。
<最後に>
今回の文章は、
一般のアニメ評論とは少し違っています。
狙いとしては、全12・13話を使って、
テレビ放送の中で語られるストーリーを、
「語られていること」ベースではなく、
「起こっていること」ベースに捉え直すことで、
物語・アニメのストーリーテリングの技術的な側面に
迫ろうというものです。
今回も、長い文章ですが、
サラサラと、わかりやすく、
かつエキサイティングなものになるよう心がけました。
ご興味のある方は、ぜひ足をお運びくださるか、
もしくは自分のツイッターまでDMしてくだされば、
個人的に対応できると思います。
以上です、よろしくお願いします、イエイ。