あにめマブタ

@yokolineのアニメ記事がアップロードされます

真夜中と日差しの夢 ~『アイカツ!』神崎美月の5年3ヵ月~

目次 真夜中の時代 美月の性急な夢 美月の発言のねじれ 同じだけど、確実に違う空 美月といちごの違えた道 78話の衝撃 みくるが見出した美月 101話を終えて美月に残った夢 「あなたに奪われたいの」 1人分の人生は1人分の人生では足りない アイドルの…

日常系とはなにか ~死者の目・生を相対化するまなざし~

本稿は「第二十一回文学フリマ東京」2015/11/23で頒布しました同人誌『多重要塞 vol.4』に収録された文章「日常系とはなにか ~死者の目・生を相対化するまなざし~」を改稿したものです。 はじめに 「日常系」とは、描かれているもの自体ではなく、描かれ方…

田中あすかという感情の獣(『響け! ユーフォニアム』2期)

田中あすかとは何者だったのか 「田中あすか」というキャラクターは、『響け! ユーフォニアム』TVシリーズ第2期を貫く太い「心棒」であった。結局のところ、田中あすかは黄前久美子という、未曾有に強力な主人公の格さえ「食って」しまったという風情ま…

音響監督、鶴岡陽太の「音響演出」を分析する(京アニ・シャフト作品を題材に)

目次 「音響監督」の具体的な仕事の内容 「演出」もしくは「音響演出」とは アフレコという作業の実際 音響監督、鶴岡陽太さんとは ダビングにおける音響演出の実際(『魔法少女まどか☆マギカ』より) コンセプチュアルにBGMを「つけた」ケース(『魔法少…

アニメ演出上のサプライズの最高のサンプル (『アイカツスターズ!』15話)

目次 『アイカツスターズ!』第14、15話は必見 第15話のシーン1に至るあらまし シーン1:真昼が自主レッスン中に気を失う シーン1:なぜこれは映像上のトリックなのか 第15話のシーン2に至るあらまし シーン2:真昼を迎えにいく夜空 シーン2:長尺の感…

赤いリボン・目玉焼き・渡り廊下 ~ 『魔法少女まどか☆マギカ』TV版の構造解析~(23000文字)

目次 はじめに(この文章のねらい) 方法1:一見、意味のないシーンが存在する理由を考える 方法2:作品は「反対意見」に応えなければならない 『魔法少女まどか☆マギカ』第1話 Aパートへの着目 ◆第1節◆ TVシリーズの3ブロック構成の確認 物語とは主…

話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ10選(話数ごと1000文字のコメント付き)

こんばんは、年末あたりからめっきり寒くなりましたね。初参加となりますが、明日には本企画のトークイベントが開催されるということもあり、思い切って参加します。 今回は、2015年中に放映された新作TVアニメから、10作品10本(順不同)を選ばせて頂きまし…

話数ラスト30秒が超絶かっこいい! ~『コンクリート・レボルティオ』1、2話~

ストーリーの葛藤をラスト30秒に集約する手法 『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』は、今期放映されている中でも「次どうなるんだ!?」の魅力に、特に長けているアニメだ。 本作の舞台は、神化40年代という偽史的な昭和だ。そこには、ウルトラ…

【告知】文フリ21で発表する文章「日常系とはなにか」のイントロダクション

ヒグチです。冬は電気毛布が便利です。 来たる三連休の終わり、11/23(月祝)の文学フリマ東京(第21回)で、実は「日常系」全般に関する文章を発表します。 タイトルは「日常系とはなにか ~死者の目・生を相対化するまなざし~」です。 簡単に背景を説明する…

『SHIROBAKO』の音響演出について寄稿しました(アニメクリティーク新刊(C88))

アニメ批評同人誌「アニメクリティーク」に寄稿しました 明日、8/14(金)に開催される、第88回コミックマーケット(1日目)のスペース東フ36aにて、 アニメ批評同人誌、アニメクリティークの新刊 『アニメクリティーク vol.3.0 特集 蟲・生物・人工物/…

μ'sはどこに戻ってきたのか ~『ラブライブ!』劇場版で、ふと悲しくなった~

『ラブライブ!』劇場版の複雑な悲しさ にこまきながら(遅まきながら)『ラブライブ!The School Idol Movie』を観てきました。 特に前半には難しいレイアウトで良い芝居をさせるカットが頻出したほか、ダンス中のカメラワークを作画で行うカットも多く、劇…

血液を燃やして走り続けろ ~『マッドマックス 怒りのデス・ロード』感想~

マッドでヒューリーなアレ インパクトのあるイベントの連続で構成された映画を「ジェットコースタームービー」と呼ぶが、この映画はジェットコースターそのものだ。 本作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』では、あらゆるイベントが、猛スピードで疾走す…

吉川優子の、流すはずじゃなかった涙について ~『響け! ユーフォニアム』11話~

優子は何に泣いたのか TVシリーズアニメ『響け! ユーフォニアム』、これはとんでもない作品だということで、周囲のざわつきが止まらない。かくいう僕も、最新話である第11話を観たあと「北宇治まで五体投地したい」とツイッターに取り急ぎメモしたほどだ。 …

劇場から彼女にハローと呼びかけること ~『血界戦線』OP/ED分析~

『血界戦線』OP/EDを読む 各30回ほどは観ているだろうか、というのは、4月から始まったTVアニメシリーズ『血界戦線』のオープニング、エンディング映像のことである。 ともに松本理恵監督が絵コンテを担当した2本の映像には、いくつもの物語上のヒ…

読者の心を殴る強さを最大化する技術 ~『惑星のさみだれ』の凄み~

今日、『惑星のさみだれ』を読もう みんなが「これはすげぇぞ、読め」と、格闘家みたいなことしか言わないことで有名な漫画『惑星のさみだれ』(水上悟志、少年画報社)が、5月一杯(明日の夜中)まで無料配信されている。 この記事では、本作が「すげぇ」…

完璧なエンドマークを見た ~『劇場版 境界の彼方 未来編』感想~

本当なら締めの言葉になるんだけど、最初に言っちゃいます。 TVシリーズを最後まで観て、気に入った人なら、本当に最高の体験ができると思います。ぜひ、劇場へ足を運んでみてください。 この記事は、『劇場版 境界の彼方 -I'LL BE HERE- 未来編』のインプ…

アニメキャラの目元表現(『アイドルマスターシンデレラガールズ』神埼蘭子の眉毛)

みんな、神埼蘭子の眉毛見てる?(なんて挨拶だ) アニメもやっぱり絵だから、目元の表現ってちょっと命みたいなところがあるし、キャラクターによって描かれた方も個性が出る。 たとえば『アイドルマスターシンデレラガールズ』の神崎蘭子は、他のキャラク…

武内Pの視界 ~『アイドルマスターシンデレラガールズ』第1話のキャラ描写~

彼のような人を「イヌ系」とでも言うのだろうか。 TVアニメ『アイドルマスターシンデレラガールズ』第1話の放映後、話題をさらったのは、武内駿輔さん演じる、役名「プロデューサー」、人呼んで「武内P」の異形のキャラ造型である。 彼は200人弱がひしめ…

アニメソングの「キラーフレーズ」 (ゆゆ式 Advent Calender 11日目)

キラーフレーズ、てあります こんばんは。今日はアニメソングの話。 オープニングテーマ、エンディングテーマ曲って、アニメ本編に1回流れますよね。1クールなら13回。 で、13回って意外にハードル高い。自分のiTunesの再生回数でソートしてみると、13…

『楽園追放』は3DCG表現を逆手に取った演出に注目

どうも。ヒグチです。 『楽園追放』について、インプレッションな感想記事を残しておきたいと思って書いてます。 次のセクションから完全に【ネタバレ】していくので、気をつけてください。楽園追放 Expelled from Paradise【完全生産限定版】 [Blu-ray]出版…

あなたを見つけて砂漠を抜け出すこと ~『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』を今考える~

『少女革命ウテナ』 というアニメがある。今から17年前、1997年の4月から12月にかけて放映された全39話のオリジナルTVアニメシリーズだ。 監督である幾原邦彦のもとに結集した若いスタッフ(のちに第一線級のクリエーターとなる人々ばかりだ)が作り上…

文フリ19にて「音響監督 鶴岡陽太さんの音響演出」に関する文章を発表します

こんにちは、毎週の労働後に『SHIROBAKO』を視聴することを「夜勤」と呼んでいるヒグチです。 来たる三連休の終わり、11/24(月祝)の文学フリマ(第19回)で頒布します冊子で、「アニメ音響演出」全般に関する文章を発表します。 タイトルは「アニメにおける…

「今期の○○さんはどの作品に来てる?」で新作アニメをセレクトする

こんばんは。10月から秋アニメ始まりますね。僕はまだ、『月刊少女野崎くん』が終わってしまうことが受け容れられないでいるんですけど。※最終回を観る勇気がない 新しい番組が始まるとき、これからの三ヶ月、どれを追っていくかすごく迷うんですよね。 僕…

アニメ作画のキャラ芝居・日常芝居を楽しむ ~『アイカツ!』~

作画をゆるーく楽しむ 前回の記事では、『アイカツ!』第89話「あこがれは永遠に」を題材に、脚本(会話劇の面白さ)について「ゆる見」をしてみた。 アニメを「ゆる見」するというのはつまり、「この脚本は誰が書いた」「このカットは誰が描いた」という、…

アニメの脚本を「ゆる見」する。『アイカツ!』89話

脚本と作画をゆるく楽しむ アニメについて話していると、最も話題にしにくい2つの観点が「脚本」と「作画」だったりする。 この2つは明らかに重要な要素なのに、それがどんな風にすごいのかを話すための便利な言葉を、僕はあんまり持っていない。今回は、…

『ラブライブ!』1期のストーリー構成分析(映画脚本の観点から)

※以下、同人誌に掲載した文章の再録の後半となります。後半は7000字で、前半で確認した三幕構成の要素を応用し、『ラブライブ!』1期のストーリー構成について分析します。 前半:30分でエッセンスを掴む! ストーリーの黄金率「三幕構成」 - あにめ…

30分でエッセンスを掴む! ストーリーの黄金率「三幕構成」

※以下、同人誌に掲載した文章の再録の前半となります。前半は2万字弱あり、ストーリーをかたちづくる三幕構成の説明、その応用について述べます。 【0 ストーリーはどのように構成されるか】 本稿では、物語・ストーリー・ドラマを僕らはどのように受容し…

『ソウルイーターノット!』最終話:OPには、実はストーリーの結末まで描かれていたこと

『ソウルイーターノット!』12話は最終回、観ました。今日は七兎(@vastblue710)に教えてもらった、OP映像には最初から、本作の結末までが描かれているという話を、最終話に絡めて書いています。

『ソウルイーターノット!』第10話、フレーム内⇔フレーム外の緊張感

『ソウルイーターノット!』第10話「悪夢のはじまり!」は今期のベスト話数のうちの1本。 オムニバス形式で軽い調子の第9話「カボチャ、グローウィン!」から一転し、ダークな雰囲気で進行する第10話は、他の話数との演出的な落差で強い印象を残しました。今…

『ソウルイーターノット!』第4話のキャラ芝居がカルマ深かった話

アバン。めめさんが「顔洗ってきまーす」って言った時、つぐみさんがさりげなく腕から手触るのヤバい。— みーと (@mitomuse) 2014, 4月 30こないだ『ソウルイーターノット!』について話していたら、@mitomuse が「第4話の芝居カルマ値高かったよね」と言う…